住宅ローン控除は借り換えしても適用される?条件や注意点は?

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少しでも借り入れ条件が良くなるのなら住宅ローンの借り換えをしたいと考えている人もいるのではないでしょうか。
住宅ローンを借り換え目的で調べ始めると、現在よりも条件のよい住宅ローンに借り換えられるチャンスが得られるでしょう。

しかし、条件の良い借り換え先の住宅ローンが見つかったからといって、安易に借り換えを実行してしまうのは危険です。
その理由の1つに、借り換えによって住宅ローン控除の条件が変わってしまう危険性があるのです。

住宅ローンの借り換え控除には、以下のようなことがいえます。

  • 基本的に借り換えをすると住宅ローン控除は適用されない
  • ただし、2つの条件を満たせば借り換えでも住宅ローン控除が適用される可能性がある

今回は、住宅ローンの借り換えを行なった場合の控除の条件や注意点について詳しく説明していきます。

住宅ローンの借り換え後の控除は例外を除き原則不可能

まず一番最初にいっておかなければならないのが、住宅ローンの借り換え後の控除は原則不可であるという点です。

国税庁のタックスアンサーによれば借り換え控除は原則不可

借り換え後の住宅ローン控除が原則不可であるという根拠としては、国税庁のタックスアンサーを見るのが一番分かりやすいでしょう。
国税庁のタックスアンサーには、住宅ローン控除の対象となるものは、住宅の新築や取得、増改築などに直接必要な借入金でなければいけないとの記載があります。

さらに、もっと具体的に借り換え後の新しい住宅ローンに関しては原則として控除の対象にはならないといっているのです。
もっと詳しく知りたい方は、国税庁のタックスアンサーNo1223(https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1233.htm)を参照してみるとよいでしょう。

2つの条件を満たせば借り換えでも住宅ローン控除が適用される可能性がある

国税庁からこのようにはっきりと借り換え後の住宅ローンは原則控除の対象ではないと記載されてしまうと、ショックを受ける方も多いでしょう。

せっかく今よりも借り入れ・返済条件のよい住宅ローンを見つけても、控除がないのであれば借り換え自体に意味がなくなってしまう場合もありますよね。

しかし、以下2つの条件を満たすことにきょって、たとえ借り換えでも住宅ローン控除が適用される可能性があるのです。

  • 借り換え後の住宅ローンを借りた目的が、元の住宅ローン返済のためであること
  • 借り換え後の住宅ローンが住宅ローン控除を受けるための条件を満たしていること

それでは1つずつ詳しく見ていきましょう。

借り換え後の住宅ローンを借りた目的が、元の住宅ローン返済のためであること

借り換え後の住宅ローンでも住宅ローン控除を受けるための条件の1つが、借り換え後の住宅ローンの利用目的が、元の住宅ローン返済のためであることというものです。

住宅ローンの借り換えの目的は、おもに金利の引き下げなど、利用条件の見直しです。

たとえば、借り換えをせずに同じ住宅ローンで金利引き下げの交渉を行なった場合でも、目的は住宅ローンの見直しとなります。
現在契約している住宅ローンで金利を引き下げた場合も、新たな借り換え先のローンで金利を引き下げた場合も目的は同じということになりますよね。

しかし、利用条件の見直しを行なうのに、片方は税金の控除があり、もう片方は税金の控除がないのであれば、借り換えローンは圧倒的に損をすることが多くなります。

そのため、原則として住宅ローンの借り換えでは原則住宅ローン控除は適用にならないといわれていますが、元の住宅ローンの返済のために借り換えるのであればOKとなっています。
このような条件であれば、住宅ローンの借り換えを考えている方の中のほとんどが、条件をクリアできるのではないでしょうか。

借り換え後の住宅ローンが住宅ローン控除を受けるための条件を満たしていること

1つめの条件に関しては、ほとんどの人がクリアできると思いますが、2つめの条件も決して難しいものではありません。

そもそも借り換え先のローン商品が「住宅ローン」とか「借り換え専用住宅ローン」などの名目であれば、基本的には住宅ローン控除を受けるための条件を満たしているといえるでしょう。

ただし、この条件を満たしているかどうか、利用者側が確認しなければいけない内容が1つだけあり、それが住宅ローン自体の借入年数と控除をすでに受けている年数です。

住宅ローンの控除が受けられるのは、借入年数が10年以上であり期間は最長10年ですが、借り換えを行なったからといって新たに10年の控除が受けられるようになるわけではありません。

たとえば、最初に借り入れをした借入期間15年の住宅ローン3年目で、新たに借入期間15年の借り換えを行なった場合、借り換え先で控除が受けられるのは残り7年ということになります。
これは、借入先の借り入れ期間が10年以上あるため、控除が適用になり、さらに借り換え前のローン返済も10年未満だったために控除が適用になっているのです。

しかし、最初に借り入れをした借入期間15年の住宅ローン3年目で、期間を短縮した借入期間9年の住宅ローンに借り換えを行なった場合には、控除が適用になりません。
そのため借入期間や控除期間を考えずに借り換えを行なってしまうと控除が適用されなくなる可能性もあるので、十分に注意してください。

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